
|
 |

しとしと ふりつもる ゆきは
おおいかぶさるように
しんしんと こんこんと
あめのように きりのように
つめたく ひかる ほっきょくの
こおりの うえの ように
たにんごとと わりきろうと
すればするほど
じんわり ゆっくり ふかく
きざんで みを きざんで 。
みないふりを しないと
伝線して 深みにはまること
わかっているから
みないように、みても、
かんじないように
だけど、いつも きになって
きづけば どっぷり 浸かっていて
もう じゅうぶん 生きたよ 。
もう しあわせは たくさん いただいたよ。
もう 欲しいもの 。ない 。
数日 水をやりわすれた
ワイヤープランツ 。
水をあげたけど もう
根まで 枯れて 。
それでも、また 生まれて欲しいから
また みどりの 生命が見たいから
水を あげたけど
延々 あげたけど
しだいに、水に とけるように
幹さえ きえて
すがた かたちも なくなる 。
太陽は あんなに まぶしいのに。
わらったり はねたり
ほんとうは 楽しいはずなのに。
くちびるを ね。つきだして
口角をあげて、ほら 。
そしたら、わらえるでしょ?
って、やってみたけど
枯れた 幹は 水さえ すえない 。
じわりじわり 侵食して
感情を むしばんで
だんだん じっとり
こわれていく。
目の前の景色が 動いている事
わかっているけど
それが、どうして 動いているのか
あたまの なかで わからない。
たぶん 。 わたしが
うごいているから
網膜かなにか うつる映像が
脳に 写ってるのかな。
それが、なんとなく わかる 。
もう 十分 いき た 。
2011/03/20
|
|
|
 |
|

|
|