あたし 中卒やからね
仕事を もらわれへんのや と 書いた
女の子の手紙の 文字は
とがりながら ふるえている
ガキのくせにと 頬を打たれ
少年たちの眼が 年をとる
悔しさを握りしめすぎた こぶしの中
爪が 突き刺さる
私 本当は目撃したんです
昨日 電車の駅 階段 で
ころがり落ちた子供 と つきとばした女の うす笑い
私 驚いてしまって 助けもせず 叫びもしなかった
ただ恐くて逃げました
私の敵は 私です
ファイト 闘う君の唄を
闘わない奴等が 笑うだろう
ファイト 冷たい水の中を
ふるえながら のぼってゆけ
暗い水の流れに 打たれながら 魚たち のぼってゆく
光ってるのは 傷ついて はがれかけた鱗が 揺れるから
いっそ 水の流れに身を任せ 流れ落ちてしまえば 楽なのにね
やせこけて そんなにやせこけて
魚たち のぼってゆく
勝つか負けるか それはわからない
それでもとにかく闘いの
出場通知を抱きしめて あいつは海になりました
ファイト 闘う君の唄を
闘わない奴等が 笑うだろう
ファイト 冷たい水の中を
ふるえながら のぼってゆけ
あたし 男だったらよかったわ 力ずくで男の思うままに
ならずにすんだかもしれないだけ あたし男に生まれればよかったわ
小魚たちの群れ きらきらと 海の中の国境を越えてゆく
諦めという名の鎖を 身をよじって ほどいてゆく
ファイト 闘う君の唄を
闘わない奴等が 笑うだろう
ファイト 冷たい水の中を
ふるえながら のぼってゆけ
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