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徒然草々 |
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2007/07/11 08:43 |
* lojuce * lojuceさん | 憑依 * |
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道を 歩いてる と
不思議な 家の 横を 通り過ぎた
青の 木の壁は 年代を感じさせる
古い 昔ながらの 建物
左側から 呼ばれている声が
無言のなかに 伝わってくる
呼ばれている
後戻りして 入口 玄関を
じぃっと 見入ると
言葉を 閉じた 今にも 暴れ出しそうな
空気が 流れていた 溢れていた
入ってこいと 厚く 重い 空気が
引っぱるように 呼んでいる
玄関口に よきつけられるように 立ち
扉に 手をかけた
二階のない 平屋の
全体的に 青みがかった 建物
昭和初期に 建てられた
古い建物
カギは かかってない
そう おもっていた
うちから 呼んでいる
その重苦しさに 何かを 感じて
磁石のように
ひきづり こむ こまれる ように
建物のなかへと 入っていく
なかに 入ると 誰か が いた
形で は ない 誰かが
部屋の 遠くから こちらを 見ている
すぅ っと じぃ っと 見ている
と 思ったら すぅっと 前の部屋を 左から 右に
こちらを 見ながら すり抜けた
正面 右 全体 神経を 集中して
そのまま 玄関を あがる
畳の 古い いぐさ の かおり
ほこりと 年代が 入り交じった にがい 味
ぎしり ぎしり
部屋の どこに 隠れたんだろう
ふわっと 遠くへ 存在が 移動した
私は 何かを 探して 歩き出す
建物 全体を コの字に 囲った 廊下を
歩いていく
ところどころ 外から 差し込む 光が
うっすらと 重苦しい 部屋に 木戸の隙間から
入り込んでいる
天井裏 ・・
私の ななめ 右 うしろ ・・
じぃっと 存在を 見られている
獲物が 建物に 入ってきた
狙われている 怖さを 感じた
このまま 逃げ去ることが できない 怖さも
体が すでに 感じていた
数分に 一度 全体の 空気が 薄くなる
何事も なかったかのように 薄くなる
安堵 の なか 今の この場所を
理解しようと 考え出そうとすると
再び 重苦しい 空気が 現れ だす
右に 足を 踏み入れ
畳の上を 歩いていく
角の 真っ暗な その場所は
目を凝らしても 何も 見えない
ただ なにか が いる
深く 大きな なに か が
高さは 天井まで 達して
横に 血が 滲み入るように 広がっている
その中に 踏み入れた
まっくらだ
血の臭いと 深い苦しみが ひろがる
私に対して 巻き込まずには いられない ような
苦しみ 憎しみ 悲しみ
視線を そらさずに そのまま
一歩ずつ 後ろへ 歩く 離れる
そらすと 喰われる
恐怖のなか 黒い なにかから 離れようと
また 廊下へ 戻り 歩き出す
安全に ここを 離れたい
だけど 離れる 方法を しらない
そう 感じていると
右側を 走り抜けた 男性が
右から 左へ 強く 素早く
はっ と して 見入ろうとしたら
その姿は 私の 後ろから
飛び入る 瞬間を 狙い澄ましていた
怖くなり 畳の部屋を 走り抜けた
影か 左の視線に 見える
また 私は 右に 曲がり
違う 畳の部屋へと 逃げるために 飛び込んだ
背後に 重苦しい 存在を 感じる
右へ 右へ そして 左へ
影は ひとつではなく 2つ 3つ と
狂ったように 部屋の なかを 走っていると
次第に 追いつめられていくのが わかった
笑い声が
憎しみが
後ろから 憎しみの女の人に
私のカラダのなかに 入り込まれた
捕まった 怖さに 立ち止まった瞬間
右から オトコの人が 覆い被さるように 入ってきた
抵抗する間もなく 斜め 左から もう ひとり
体が 急激に 重くなり
首まわりに 重苦しさも 増した
もう はなれない
重苦しさを 背負ったまま
玄関を 開け 家から 離れた
もう はなれない
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